た か ら も の
HANA TORI KAZE
 
                    下 絵  rough sketch


蜂谷真紀 3rd リーダーアルバム
2012.1.13. release



vocal,voice,          
toys,…etc.  蜂谷真紀 
   piano  田中信正
   violin  喜多直毅

2CD ¥3.500-
  cd1…倉敷/大原美術館収録
cd2…渋谷/ライヴ録音 

 
ライヴ会場にて ご購入いただけるほか 蜂谷真紀ウェブサイトより
メールフォームからご注文いただけます(メール便お届け・送料無料)

流通は  HMV  ディスクユニオン  山野楽器  タワレコ  
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CD 『たからもの』 の ジャケットの挿画を担当させていただきました
今回は フィールドを少々はみだして デザインもさせていただくことに
デザイン とはいってもレイアウトのみ 質感等々までは手が出ませんでしたが
ジャケット(紙ジャケット仕様・2枚組) レーベル ライナー 帯 をレイアウトしました
デザインの仕事の大きさを またもや肌身で感じる機会です
技術面(印刷のことなど)・フライヤーは 藤本さん担当
みなさま お世話になり ありがとうございました

 
   
 
なにはともあれ 新年 2012年1月13日リリース!
ハナトリカゼのみなさん おめでとうございます
首都圏 西日本 ヨーロッパ と CD発売記念ツアーが目白押しの模様です
蜂谷さんの音楽は 生身が醍醐味のように思われます
スケジュールはこちら みなさまぜひおでかけください 




以下は 少々長くなりますが おつくりした はんをご紹介しつつ
制作に関することを少しずつ かいつまんでお話してみようと思います
 
 



今回の制作のためにつくったはんがこちら

18コ 写っているうちの実際に採用したものが16コ と 写っていないものが2コ それにけしゴムはんをふたつ で 全20コ

ジャケット制作のためだけをおもえば 版画があれば事足りるので  持ち手をつける必要はないわけですが

(わたくしごとではありますが) やっぱり はんこに仕立てたいわけですので 楠の持ち手をつけました



はじめのコンタクトがあってから まずは ということで 蜂谷さんのライヴに伺いました

その日は 蜂谷さんの歌と コントラバスとクラリネットのトリオのライヴ

ジャズのかた とだけきいてましたが もともと 音楽にはうとい自分でもあり

あまりきいたことのない類の音楽のようでしたが あっという間に3時間ほどが過ぎていました

なにやら奏でている現場 ひとの様子には 常々ひきつけられます



ご依頼のCDについて お話はこのようなもの


ユニット名は ハナトリカゼ  HANA TORI KAZE

HANA は 田中さん  TORI が 蜂谷さん  KAZE が 喜多さん  というイメージ

つなげている ● は 日の丸なので 本来は「赤なんです」とのこと

一枚は HANA TORI のふたり 大原美術館(!)で収録した音源

もう一枚は  HANA TORI KAZE の三人での 渋谷 公園通りクラシックスでのライブ音源 という構成


蜂谷さんは 大原美術館の 大原兼一郎さんとの出会いから

「大原美術館70周年 絵画のための音楽会」にも楽曲を提供されているのですが

そのご縁が 今回 美術館の中での演奏/収録をさせていただけることへ つながったのだとか

(そのいきさつについては蜂谷さんのブログに詳しいです)

大原美術館には 収録時に106歳になるというピアノの名器 べヒシュタインというピアノがあり

その 日本に何台しか無いという貴重なピアノで 日本における初の個人美術館の絵画に囲まれての収録ということですから

たいへん思い入れの深い作品となっていることと思います




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 HANA ● TORI ● KAZE

  ユニット名 ハナトリカゼのはん
  メインの絵作りはボリュームのあるものになりそうだったので
  ユニット名は ごくラフにシンプルなものにしようと思いました

 
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  大原美術館 /建物
 
  言わずと知れた 大原美術館のたてもの
  大原美術館のはんをつくる機会に出会えるとは

  はじめにお話をうかがった段階で
  CDの盤面に配する意匠のイメージは決まっていたので
  ここからはじめます といったところのはん

 
 
  大原美術館 /門

  CDの盤面と ジャケットにそれぞれ少しだけ違ったかたちで
  大原美術館のはんを入れたかったので
  建物と そのまわりの様子を 分けて彫りました

  大原美術館は 実際に訪ねてみると感じられるかと思うのですが
  その建物だけではなく その場に ”こうある” という空気感が
  たいへん心地よい場所なので それも伝えたい と 思いました

 
  住所はん / 大原美術館

  大原美術館 ここにあり
  というわけで 定番のセミオーダー住所はん
  デザイン”朔助”で 美術館の住所を彫りました
  たいへん ぜいたくな気持ち

 
  川/橋

  大原美術館の前には小さな川が流れていますね
  川に沿って柳の並木がゆれ 石畳の歩道と橋に風情があります

  その風情を気持ちのすみに置きつつ
  画面の構成の要になるかたちを心がけました

 
  名前はん/蜂谷真紀

  日本語の名前は 基本的に漢字であることから
  たいへん視覚的 といえると思います
  そんなわけで(なのか) お名前の文字はならべただけでも
  なにかしらイメージが湧いてきます
  こんなに即物的に絵にできる文字があると
  すぐ遊びたくなります あまりにもそのままに

 

 
  名前はん/田中信正

  田中さんは偶然 以前酒井俊さんのCDに
  版画を提供したときのピアニストでもありました
  その折に ライヴで演奏の様子を拝見したことがあったので
  そのときの印象を思いおこしてつくりました

 
  ピアノ/調律師

  大原美術館にある由緒あるピアノも主役のひとつとのこと
  その意匠をベースにして手を入れ  収録当日に調律を担当された
  調律師さんのお名前をあわせてアレンジしたもの
  ジャケットに入れる段階で 最終的に ”106” の文字を加えました
  106は 収録当時のピアノの年齢
 

  ふたつの収録日
 
  この日 このとき この場所に
  というわけで それぞれの音源の収録された日付のはん
 

  渋谷

  CD2の盤面にも配する 渋谷のはん
  渋谷の音源につかうかたちは 漠然とした渋谷のイメージにしよう
  と思いあたったのはやっぱり スクランブル交差点
  かなりコンパクトにはしたので スクランブルしてませんが
 
 

  すずかけの葉

  渋谷の収録場所は 公園通りクラシックス
  公園通りといって思い出すのは あの並木
  というわけで すずかけの葉っぱのはん
 
 

  欧文住所はん / 公園通りクラシックス

  大原美術館に対応して こちらも住所はんを彫りました
  ボリュームに対して 重くならないよう
  欧文にし 生活感よりもデザイン的な印象を重視
 
 

  ハナ

  ジャケットの表と裏/ハナトリ と ハナトリカゼ
  三人それぞれに対応したはんこがある
  そうすると 表と裏に 同じはんが重複してしまう
  それではそうとううっとうしい と思案のすえ
  裏に重複する分のハナとトリは絵にしたら
  というのは蜂谷さんのアイデア 当事者の発想はぴたり
  蜂谷さんが身振りを交えて説明してくれた田中さんのイメージ
 

  トリ

  蜂谷さんのトリのイメージ 歌う鳥
 

  名前はん/喜多直毅

  音源と 蜂谷さんのお話 それから
  ハナ トリ カゼ の 風のイメージをふくらませて

  まだ見ぬ人物のイメージをかたちにするのは
  先の楽しみを含んでいてわくわくするものです
 
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  音の仕事

  ライナーの終わりのページに入れた
  制作にまつわるあれこれのひとつ

  制作にあたって 音源に関する作業の現場におじゃました
  わからないながらに 外国語をきくような気持ちで
  作業のやりとりを見学 たいへん印象深いひととき
  そのときのイメージをはんにしたもの
 

  デニッシュ

  音の仕事同様  制作にまつわるひとつ
  成城パンの コーヒーデニッシュを買ってきて描いたのだけど
  パンの絵は至極むつかしかった お気に入りのパンなのに…
  なかなかおいしそうに見えません
    
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全員とはいかないまでも 場所やものや人々それぞれのかかわりや

その日その場所の瞬間(組合せ)を感じられるようなものにしたいと思いました

アルバムタイトルの たからもの は 制作の過程で生まれたもの

絵づくりの 私のなかでの筋道ともぴったりと合った感触がありました

ジャケットの下絵を見た蜂谷さん 正月っぽい 橋もかかってるし

というわけで 新年のリリース おめでたく



    
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・ おまけ ・


こちらは 制作のために 下絵をコピーして貼り付けて 画用紙でつくった ジャケットの模型です


 
こんなふうにしたいのですが、

こんなことできるかわからないですよ!

はあ、もちろん あくまで希望ですから……

という具合でしたが 結果的には 限りなく模型に近いかたちになったよう
 


CDの盤面の意匠の色味だけは このとおり

今回の仕上がりの うまくいかなかったところです(このイメージより大幅に黒ずんでしまいました)

発注してものを作るって 難しいですね (慣れないだけかな)


ところで リリース後のジャケットの評判は おおむね"CDっぽくない"というものが多いよう

まったく頭になかった反応で とてもおもしろくききました

< おしまい >

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